生でだらだらイかせて!



俺ァ奥州筆頭伊達政宗。泣く子も黙る独眼龍っつうのは俺のことだぜ。ルックス・才能共に恵まれたこの俺だが、そんな俺にも片思い中の相手がいる。そいつの名は長宗我部元親。俺よりちっとばかり年上で、しかも男だが愛の前にはそんなもん関係ねえぜ、 you see?
この元親っていう愛しのdarligだが、こいつが本気でヤベエ。ヤベエって何がヤベエのか俺にも分かんねえくらい兎に角ヤベエ。
まず、可愛い。でかい図体してお前どこの乙女だよってぐらい可愛い。そのcuteさに俺のムスコは常に臨戦体勢状態だ。いつでも元親の後ろに突っ込む準備は整ってるぜ。常にいきりたった股間のお陰で最近小十郎の俺を見る目が冷たいが、俺はそんなことじゃ折れたりはしねえ。幾ら小十郎の視線に凍りついても、元親を見てれば自然と身体が滾って凍りも溶けるもんだからよ、そんなのはno problemって訳だ。
第二に、元親はsexyだ。船に乗るくせに肌は白いわ、ボンキュッボンのnice bodyだわで、マジで堪んねえ。見てるだけで腰にキやがる。 元親の戦装束は上半身裸っつう随分スリリングな格好だが、ありゃあどう考えてもあのピンクの乳首を俺に摘ままれるためにあんな格好してるようにしか見えねえな。全く口で言やいいのに、あんな格好して俺を誘うなんざ随分shyなdarlingだぜ。
そういう訳で、目下の俺の目標は奴にこの俺の使い込んだmagnumをぶちこんでやることだ。イメトレだけは毎晩かかしちゃいねえぜ。Han、自重?そんな言葉俺の辞書にゃ載っちゃいねえ。他をあたんな!


そんな殺人的にcharmingな元親が深刻そうな顔をしている。何か俺に言いたいことがあるっつって人気のない林の中に俺を呼び出した元親に、俺の胸も息子も期待に膨らむ。 どうしたdarling、俺にその胸の内を明かしてみろよ?俺にゃあ分かってるぜ、アンタのその薔薇の蕾みてえな唇が、俺に何を伝えたいかってな!『政宗……、お前が好きだ。だから俺を滅茶苦茶にしてくれ!』、これに決まってんだろ!
「政宗…あのよう」
「Okay Okay元親、俺にゃあ分かってるぜ」
「は?何言ってんだテメエ。流石にこれは政宗でも分かんねえよ」
「いいか、本人がそう思ってても実はそうじゃないってことが世の中にゃゴマンとあるんだぜ?つう訳で、アンタの言いたいことは俺にバレバレだ。怖がらず言ってみな、my sweet?」
「あー…。まあそれじゃ言ってみるけどよ、実は俺、鬼なんだよ」
そうかい、鬼なのか!ほら見ろやっぱ俺の言った通りじゃねえか―――Han?
「……鬼?馬鹿にしてんのか、そんなの知ってるに決まってんじゃねえか。アンタの異名は西海の鬼だろ?」
「ほら、やっぱ知らなかったじゃねえか。いいか、見てろよ」
元親はそう言うと、ぎゅっと目を閉じて、うーん、と唸り始めた。白い肌に長い睫毛の影が落ちて、妙に艶めかしい。誘ってんのか?そうか誘ってんだな?俺は股間の逸物が頭をもたげるのを感じながら、そっと元親の唇に自分のそれを寄せた。そしてある事実に気付く。ヤベエ、リップ塗るの忘れちまった。モテる男は常に身だしなみをかかさねえって奥州マガジンで読んだばっかなのによ。元親とのfirst kissがカサカサの唇なんてサマになんねえぜ!俺がどうするか迷っている間に、元親が顔を上げちまった。shit!
「出たぞ政宗!ホラホラ見てみろよ!」
元親が頭を下げて髪の毛の中のある点を指す。そこに白く輝くのは―――。
「角?」
確かにそこには人差し指第二関節くらいの長さの白い角が生えている。象牙に似た角が、頭の両端に一本ずつ。
「んだよこれ……?作りもんか?」
思わず手を伸ばしてその角に触れるが、その血の通った暖かな温度は絶対に作りもんなんかじゃなかった。軽く力を入れてみたが、びくともしやがらねえ。マジで元親の頭から生えてやがる。
どうやら元親は本当に鬼だったらしい。 だがそんな事で俺の元親への恋心が揺らぐはずもねえ。鬼?上等だぜ!その角といい尖った八重歯といい最高にcuteじゃねえか!
「これで分かっただろ?俺は本当に本物の鬼なんだよ」
「まぁアンタが鬼だっつうのは認めてやるぜ。けどよ、だからって俺にどうして欲しいんだ?実は人間の精気が鬼の食い物で、腹が減ったから俺の精気を上と下の口から食わせてくれってお願いか?」
Ha!もし本当にそうなら、頭の天辺から爪先までダラダラに俺のを注ぎまくってやんだがよ。 妄想で顔をニヤつかせる俺に、元親の目が驚きに見開かれる。
「すっげえ、何で知ってんだよ!まさかお前本当に俺の言いたいこと分かってたのか!?」
マ、マジかよ!!!
Jesus、これは本当に現実なのか?俺の脳内にダラダラで濡れ濡れ、素っ裸の元親の映像が瞬時に再生される。その白く蠢く身体が現実のものになるのか。マジか。マジなのか。思わず天を仰いだのは、別に鼻血が垂れそうになったからじゃねえ。断じて違う。
「政宗は物知りだなあ!俺たち鬼は、人間の体液から精気を貰うんだぜ。それを定期的に食わねえと、身体が弱って死んじまうんだよ。お前よく知ってたな」
「そ、それぐらい知ってるに決まってんだろ!俺は奥州筆頭伊達政宗だぜ!?」
「それがどう関係あるのか分かんねえけどよ、まあ兎に角俺にお前の精気分けてくんねえ?最近食ってなかったもんだから、腹が減って死にそうだぜ」
「俺はずっとその言葉を待ってたぜ、元親…!OK、それじゃあ早速どっかにしけこむとするか!確か道の途中に旅籠屋があったな。あそこに行くぞ!」
Here we go!
そう言って興奮に肩を震わせながら強引に腕を引く俺に、元親が不思議そうな顔をする。
「あん?なんでわざわざそんなとこ行かなきゃなんねえんだよ。ここでいいだろ?」
OH……!さすが鬼だぜ、まさかしょっぱなから外をご希望だとはな…! つまりこういうことか。俺に太陽の光の下で身体の隅々まで見て欲しいってことか。そうか、そういうことなんだろ元親…!!
「ハッ…、俺としたことが一瞬動揺しちまったぜ。アンタが此処でいいっつうんなら、俺にも異論はねえ。ご希望通り、早速おっ始めるとするか!Let's party!」
鼻息も荒く元親の上着を脱がし始める俺に、元親は、待てよ、と眉を寄せて性急な俺の腕を掴んだ。
「お前よお、こういうのには順番があるっつうのを知らねえのか?ほら、まずはこれからだろ」
そう言って元親が瞼を下ろし、口を閉じた。ん、と少しだけ唇が突き出される。も、もしかしてこれはアレか?キスのおねだりってやつなのか!?目を閉じてじっと俺の唇を待つ元親に、心臓は否応なく跳ね上がった。間違いなく元親は俺のキスを待っている。もうリップなんてそんな些細なこと、俺の興奮と緊張で真っ白な思考の片隅にも残っちゃいねえ。据え膳を食わぬは男の恥だぜ…!
「元親……」
そっと顔を寄せ、唇を重ね合わせる。その柔らかな感触に、俺の鼓動は更にその速度を増した。元親の腕を背中に感じた途端、俺の理性が瞬時に吹っ飛んだ。その衝動のままに、俺は唇の表面への愛撫もそこそこにその口内へと舌を侵入させる。
「んぅ…は、ぁ……っ」
元親が鼻からぬけるような甘い声を出した。腰が痺れる。ああ、早くアンタの中に入りたくてたまんねえ。でも、それと同じくらいずっとこうしていてえ。舌を絡め、互いの唾液を交換し、俺たちは求め合った。最高に気持ち良くて、それでもまだこの先にもっとすげえ快楽があるかと思うと身体が期待に震えるのを止められなかった。
酸欠に頭が霞み始めた頃、ようやく唇を離すと二人の間に唾液が引かれた。その糸の先では元親が目元を赤く染め瞳を潤ませている。
この可愛い鬼が今から俺のもんになるのか。俺に喘がされて腰ふっちまう訳か。もうそれを考えただけで俺の中心はclimaxだ。さあ、これからが本番だぜ元親。せいぜい余りの気持ち良さに泣き出さないよう気をつけてな!
俺は興奮を何とか押し隠して、元親…、と可愛い鬼の名を呟き、そのまま押し倒そうと元親の肩に手を掛けた。その時。
「不味い」
思いっきり顔を顰めて元親が吐き出すように言った。不快そうに口元の唾液を拭う元親に、俺の身体はぎしりと固まる。
「ま、不味い……!?」
「なんかお前の不味い。濃いっつうか、ねちっこい。お前の接吻と一緒だな」
「ね、ねちっこい…!?おいテメエいい加減にしやがれ!キスの間、ずっと気持ち良さそうに声出してたくせに何言ってやがんだ?あぁ!?」
「ハッ!下手くそ相手に俺が喘ぐ訳がねえだろ。お前があんま下手なもんだから、息苦しくて思わず呻いちまっただけだぜ」
「へ、下手くそ……!?」
その衝撃的な言葉に、俺は頭を金槌で殴られた気がした。俺はかつてこれほど侮辱されたことはねえ。この俺が下手だと…?嘘だ、嘘に決まってる!だって今まで抱いた女たちは皆よがって俺に縋り付いて来たんだぞ!?
そう喚き立てる俺に、元親が冷めた目を返す。
「お前、どうせ女を抱くっつってもいきなり本番に入るタイプだろ。あーあー男として最低だな」
元親の言葉に、俺は今までの女たちとの行為を思い出した。…確かにそうだったかもしれねえ。大体人肌が恋しくなるのはいつも戦の後と決まっていて、高ぶった本能のまま貪るように行為を繰り返すだけだった。女を抱いた記憶はあっても、キスをしたかどうかなんざまるで覚えちゃいねえ。俺はキス童貞なのか…?
一瞬落ち込みそうになるが、何とか自分を励まして立ち直る。 キスが下手だろうなんだろうが、俺にはこのmagnumがあるじゃねえか。なにも恥じるこたあねえ!
「お、俺には腰使いのtechnicがあるからいいんだよ!アンタも一度俺に抱かれてみな、きっと極楽に行けそうなくれえ最ッ高に気持ちよくなれるぜ?」
そう言って腰に手をあててポーズを取る俺に、元親が意地の悪い声を出した。
「下手くその政宗クンに言われたって信用できねえなあ。…まあこれが片倉さんだったら違ったかもしんねえけどよ」
「小十郎!?なんでそこに小十郎が出て来んだよ!?」
腹心の部下の名を聞いて慌てる俺に、元親の質の悪い笑みが深くなる。
「だって絶対片倉さん色事に強そうだもんなあ。あーなんだ、きす?だったか?そのきすも絶対上手そうだもんな。俺たちは鬼は人間から体液を貰う時の快楽に応じて、その精気を美味く感じんだよ。片倉さんの精気美味そうだし、今度お願いしてみっかなあ…。あっ、ちなみにお前今までの人間の中で最下位な。そんでもって一位は元就だ」
Goddam!マジかよ……!?
「テ、テメエ俺以外ともこんなことしてやがったのか!?」
「当たり前だろ。じゃねえと俺死んじまうもん」
そう言われれば俺はぐっと黙るしかない。確かに死ぬんだったら仕方ねえ。だがそれでも、俺より先にその肉厚な唇を味わった野郎がいるのかと思うと悔しくて悔しくて、思わず歯噛みしたい気分になった。つーか、その生きるために人間の精気を吸うっていうそのエロさは何なんだよ。今なら分かるぜ、だからアンタはいつもあんなに色気溢れまくりだったのか。アンタをうぶで可愛い奴だと勘違いしてた自分に涙が出そうだぜ。俺の純情返しやがれ!
思わずそう叫ぼうとして、その時ふと頭を掠めた疑問に俺は口を閉じた。それに元親が不思議そうに首を傾げる。
「どうしたんだよ?」
「……アンタ、何で今回俺を相手に選んだんだ?」
だっておかしいだろ、それだけ相手がいるなら何もわざわざ俺じゃなくても良かった訳だ。ま、まさか実は俺に惚れてるとか…?
そう淡い期待に胸を膨らます俺に、元親があっさりと言った。
「何って、顔。俺お前の顔好きなんだよ」
そう事も無げに呟く元親に、俺はやっぱりそんな理由かと肩を落とす。それでも少しだけ気分が浮上するのを感じた。元親は俺の顔が好き。つまり、俺の一部分が好きっつう訳だ。ゼロじゃない。それがたったの顔だけ、俺の要素のたった一部分だけを好きだとしても、それでも元親が俺の何かを好いてくれてるって事実は変わんねえ。
そう気が付くと、少しだけ目の前が明るくなった気がした。
顔が好き?上等だぜ。顔から入らせて、あとは俺にベタ惚れのメロメロにさせちまえばいいだけじゃねえか。
項垂れていた俺の頭が自然と上を向く。 別に元親が鬼だろうが小悪魔だろうが関係ねえ。俺を好きにさせればいい。そうだ、たったそれだけのことじゃねえか。何も思い悩む必要はねえ。 遂にいつもの余裕を取り戻した俺は、口元に笑みをたたえたままゆっくりと元親に近づいた。いぶかしげな顔をする元親の鼻先で、ピタリと足を止める。
見てろよ、元親。本気になった俺は怖いぜ?
「……なんだよ」
やけに近い場所にある俺の顔に戸惑ったように、元親が小さく身じろぎをする。それに妙に加虐心をくすぐられるのを感じながら、俺は身体の割には細い元親腰をそっと抱き寄せた。背に回した手で、硬い背骨の感触を探り当てる。その隆起した皮膚を伝い、触れる指先から何かを引き出すようにじっくりと撫でながら徐々に手を下へと降ろしていく。じりじりと降りていく指の感覚に、元親の腰が微かに揺れた。
「………っ」
「なあ……。あんたキスの経験は豊富みてえだが、こっちの方はどうなんだよ」
元親の耳元で低く呟き、そっと袴の上から締まった尻へと手を這わせる。手の平をその形に沿わせたまま、表面だけを撫で上げるようにゆっくりと動かした。目を伏せた元親が震える喉から、はぁ、と熱っぽい溜め息を落とす。
「あんだけ人を馬鹿にできんだ、さぞかしこっちの経験も豊富なんだろうなあ……?」
「…っは、期待外れで悪かったな。まだそっちは使ったことねえよ……」
「Ha!やっぱりな。とんだうぶな鬼もいたもんだぜ。…だからアンタさっき此処でいいっつったのか。ハナから俺に抱かせる気なんざなかったんだろ?」
「んっ……、当たり前だろうが。誰が人間なんかに抱かれてやるもんかよ……」
元親の白い頬がうっすらと上気していた。時折ぎゅっと臀部を握りこんでやると、面白いように腕の中の身体が跳ねる。俺は乾燥した自分の唇を舌で潤わすと、とうとうその丘の窪みへと指を這わせた。その薄い袴の下にあるはずの後穴を深るように、じっくりと上下に撫で擦る。
「一回でいいから俺に抱かれてみろよ…。そうしたら、最高によくて最高に美味い精気が味わえるぜ?きっと、病み付きになる」
欲望を滲ませた舌で元親の白い首筋を舐め上げる。そのまま俺はぐっと元親の下半身を引き寄せると、腰を揺らして高ぶる俺自身を擦りつけてやった。
「あっ……、はっ、クソッ…!こんのガキ、いい加減にしやがれ!」
元親はそう叫ぶなり、紫の上着を脱がしに掛かっていた俺の前髪を引っ掴むと、勢い良く自分の方へと引き寄せた。
前歯に鈍い痛みが走り、反射的に眉を顰めると同時に元親の熱い舌が俺の口内へと入ってくる。元親からの初めての口付け。だがそれに感慨を抱く暇もなく、絡み付いてきた元親の分厚い舌にあっという間に意識をさらわれた。ヤベエ、マジで半端ねえ。元親のキスはさっき俺がしたものとは比べならないほど濃厚で、腰に思わず震えが走るくらいすげえ気持ちよかった。脳天を蕩けさせる刺激と、鼓膜を刺激する水音に頭がどうにかなりそうだった。俺の口内を隈なく蹂躙し、味わい尽くした元親がようやくちゅぱ、と卑猥な音を立てて俺の唇を離す。
忙しなく呼吸を繰り返す俺に、目元を赤く染めた元親が口元の唾液を拭いながらにやりと唇を歪める。
「これぐらいのも出来ねえガキが、調子乗ってんじゃねえよ。俺を抱こうなんざまだまだ早いぜ」
「Damn it!もう少しで押し倒せそうだったのによ……!」
このエロ鬼!淫乱悪魔!と罵倒し悔しがる俺に、元親が、バーカ、と楽しそうに笑った。 幾ら性悪で人に暴言を吐く奴でも、やっぱりその笑顔は俺の好みど真ん中だった。どんなに屈辱的なことを言われようがされようが、それでも元親は最高に可愛い。訂正する。アンタ鬼でもなきゃ悪魔でもねえ。正真正銘の性悪小悪魔だぜ…!
障害があればあるほど、俺の恋は燃え上がるばかりだ。俺は改めて決心した。絶対にコイツを落としてみせる。そして絶対に俺の身体の下で気持ち良さそうに喘がせてやるぜ…!
「見てな、元親!そのうち絶対にキスだけでアンタをあんあん喘がせてやるからな…!唇のお手入れしながら待ってやがれ!」
「ハッ、言うじゃねえか…!いいぜ、お前が本当に上達して、俺に最高の精気食わせてくれるんなら大人しくアンタに抱かれてやるよ!」
そう言って挑発的に笑う元親の表情は、俺が今まで見て来た元親の表情の中でも最も見惚れちまうくらいsexyで、凶悪なくらい最高にcuteだった。
俺は頬が吊り上るのを止めもせず、その赤く腫れた唇に噛み付くようなキスをした。

俺のdarlingの名は長曾我部元親。その最高にエロくて、最高に可愛い性悪な鬼を押し倒すべく、俺は今日も元親とキスの練習に励んでいる。




(08/0507)


たぶん続きません…。たぶん!